安全報告書


2023年版安全報告書 2022年版安全報告書 2021年版安全報告書 安全利用のしおり


2023年版安全報告書


1.お客様はじめ地域の皆様へ
3.事故等の発生状況とその再発防止措置
5.安全管理体制
7.連絡先
2.基本方針と安全目標
4.輸送の安全確保のための取組み
6.利用者・地域の皆様へのお願い



1お客様はじめ地域の皆様へ

 平素から甘木鉄道をご利用いただき、また、当社の鉄道事業に対して日頃からご理解とご協力を賜り、 厚くお礼申し上げます。
 2020年からの新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う輸送人員及び運賃収入の減少、2022年2月末のロシアによるウクライナ侵攻に伴う原油価格や原材料価格の高騰など、この数年の間に甘木鉄道は、非常に厳しい経営環境に直面しておりますが、2023年5月より新型コロナウイルス感染症の位置づけが5類感染症に移行したことにより、人の往来が平常に戻り、訪日外国人観光客も増えるなど、明るい話題も多くなってきております。
 また、近年、毎年のように、全国的に集中豪雨や地震など、数十年に一度といわれるような自然災害が発生しておりますが、お客様に安全かつ安心してご利用いただくために、厳しい経営環境の中にあっても、安全で安定した輸送を確保するため設備の維持・管理を行い、更なる輸送の安全確保に向けて、社員一丸となって取り組んでおります。
 さて、本報告書は、鉄道事業法に基づき、主に令和4年度の「甘木鉄道の安全」に関する取り組みを、皆様に広くご理解いただくために作成し、公表するものです。
 今後も、安全に関する施策及び取り組みを一層充実させてまいりますので、甘木鉄道に対するご支援・ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。
甘木鉄道株式会社 代表取締役社長 林 裕二




2.基本方針と安全目標

(1)基本方針(甘木鉄道安全行動規範)
当社の経営理念の第一は、安全第一の意識をもって事業活動を行うことであり、輸送の安全を確保するための基本的な方針は、次のとおりです。
 ○一致協力して輸送の安全の確保に努める。
 ○法令と規程を遵守し、厳正、忠実に職務を遂行する。
 ○常に輸送の安全に関する状況を理解するように努める。
 ○憶測に頼らず確認の励行に努め、疑義のある時は、最も安全な取扱をする。
 ○事故・災害が発生した時は、人命救助を最優先し、速やかに安全適切な処置をする。
 ○情報は漏れなく迅速、正確に伝え、透明性を確保する。
 ○常に問題意識を持ち、必要な変革に果敢に挑戦する。
(2)安全目標
1986(S61)年4月の開業以降、優良な運転業務成績を収めたとして、九州運輸局長表彰を連続10期受賞しています。今後も引き続き次の事項を重点安全課題とします。

 ○衝突・脱線・火災などの重大列車事故を起こさない。
 ○利用者の死傷事故を起こさない。
 ○沿線住民の足として、路線を守る。


[運転無事故表彰受賞経歴]
・H元年 第1期 ・H4年 第2期 ・H7年 第3期 ・H10年 第4期 ・H13年 第5期
・H16年 第6期 ・H19年 第7期 ・H22年 第8期 ・H25年 第9期 ・H28年 第10期
・R3年 第1期        




3.事故等の発生状況とその再発防止措置

(1)列車事故
甘木鉄道が原因となる重大事故の発生はありませんでした。

(2)踏切障害事故
ア 令和4年度は、踏切障害事故の発生は0件でした。
イ 見透し不良箇所等事故を起こしやすい踏切については改善をしていきます。
[改善内容]
☆通行者(車)から踏切がより鮮明に分かるようにします。
・踏切警報機の塗装又は取替
・踏切遮断棹の取替
・踏切警報灯の全方向型化(LED式)
・老朽化した踏切照明の順次交換
・支障物の除去(草刈り、樹木の伐採)等
☆列車運転士から踏切の動作状態が分かる踏切動作反応灯を確認しやすいものに取替えていきます。(LED化)

「踏切種別」
・1種踏切:警報機、遮断機付 34箇所  
・4種踏切:警報機、遮断機なし 2箇所  計 36箇所

(3)災害
令和4年度においては、沿線の災害発生はありませんでしたが、近年全国各地で発生している「局地的な集中
豪雨」などに備え、要注意箇所の点検や老朽化設備の整備に今後も努めていきます。

(4)輸送・人身障害(列車の運転を休止したもの)

件数 運休(本) 内  容
2020
(R2.4〜R3.3)
75 集中豪雨の影響による運休
114 台風の影響による運休
車両の故障による運休
2021
(R2.4〜R3.3)
21 踏切障害事故による運休
26 落雷の影響による運休
68 豪雨の影響による運休
10 台風の影響による運休
11 踏切障害事故による運休
車両の故障による運休
2022
(R3.4〜R4.3)
16 豪雨の影響による運休
146 台風の影響による運休(計画運休含む)

(5)インシデント(事故に至る重大事象)
今年度は、インシデント等はありませんでした。

(6)行政指導等
前年に引き続き、行政指導等はありませんでした。




4.輸送の安全確保のための取組み

(1)設備改善計画
令和2年度から令和6年度までの5年間の実績・計画

項  目 令和2年度
(実績)
令和3年度
(実績)
令和4年度
(実績)
令和5年度
(計画)
令和6年度
(計画)
レール交換 L=823m
(50Nレ-ル)
L=940m
(50Nレ-ル)
L=830m
(50Nレ-ル)
- -
軌道道床交換 大板井〜松崎間 
40m
大原信〜小郡間
40m
高田〜甘木間 
40m
太刀洗〜高田間 
40m
太刀洗〜高田間 
40m
橋梁塗装 - - - - 小郡橋梁
橋マクラギ交換 - - - - 小郡橋梁
(26本)
警報機取替 - 5箇所
(10台)
4箇所
(10台)
- 5箇所
(10台)
運行システム
の更新
各リレー室設備更新 各リレー室設備更新 - - -
踏切制御器具箱更新 1箇所 1箇所 1箇所 1箇所 1箇所
信号ケーブル
取替
- - - 大原(信)
(3,205m)
-

踏切保安設備点検作業の様子 レール交換工事の様子

(2)会議の充実
甘木鉄道では、社長報告をはじめ各部門長を招集し会議を積極的に行い、各分野において、安全輸送に関しての懸案事項等を出し合い、またそれに対する改善策などを協議し、常にお客様に安心・安全・安定した輸送を提供します。

(3)安全重点施策
甘木鉄道として、『安全第一がすべての基本』であることを再認識し、次の項目の数値目標を達成できるように邁進します。
 1.重大事故(列車衝突・列車脱線・列車火災)の撲滅   ・・・・・ 目標 0件  実績 0件
 2.インシデントの撲滅   ・・・・・ 目標 0件  実績 0件
 3.設備事故の撲滅   ・・・・・ 目標 0件  実績 0件
 4.労働災害事故の撲滅   ・・・・・ 目標 0件  実績 0件




5.安全管理体制

社長をトップとする安全管理組織を構築し、各責任者の責務を明確にして、安全確保に努めています。




役  職 役  割
社長 輸送の安全の確保に関する最終的な責任を負う。
安全統括管理者(運輸部長) 輸送の安全の確保に関する業務を統括する。
運転管理者(運輸課長) 安全統括管理者の指揮の下、運転に関する事項を統括する。
施設管理者(施設課長) 安全統括管理者の指揮の下、鉄道施設(電気関係を除く。)に関する事項を統括する。
電気管理者(電気課長) 安全統括管理者の指揮の下、鉄道施設の電気に関する事項を統括する。
車両管理者(検修課長) 安全統括管理者の指揮の下、車両に関する事項を統括する。
乗務員指導管理者(運輸課長) 運転管理者の指揮の下、運転士の資質の保持に関する事項を管理する。
総務営業部長 輸送の安全に必要な設備投資・財務・要員に関する事項を統括する。




6.利用者・地域の皆様へのお願い

(1)「踏切事故防止の知識」
<踏切の正しい渡り方>
・踏切は必ず一旦止まって左右の安全を確認し、前方の道路が空いてから踏切内に進入しましょう。
(警報機が鳴り始めたら絶対に踏切内に入らないでください。)
<もしも、車が踏切内に閉じ込められたら>
・慌てず、迷わず、車をゆっくり前進させてください。そのまま前進させることにより遮断棹は45°に開き脱出できます。
(遮断棹を折損した時は、後続列車への危害防止のため、ただちに甘木鉄道まで連絡をお願いします。)
※車が踏切内で立往生したら、まず列車を止める手配をし、車から降りて踏切外の安全な場所へ避難をお願いいたします。

(2)こども110番
甘木鉄道甘木駅は、地域の子供たちを守るため「こども110番」の駅となっています。
子供が助けを求めてきた時は、社員が保護し、警察へ通報するなどの対応をします。
また列車内での不審者や不審物・痴漢行為については、警察関係と連携協力の体制を一層強化します。

(3)線路妨害について
<沿線の各小学校へ指導のお願い>
全国的に毎年4〜5月頃になると置石が多発する傾向があります。
置石は、列車運行の安全を脅かす非常に危険で悪質な行為であり、列車脱線転覆などを引き起こす重大な犯罪です。置石を発見した時は、直ちに警察及び甘木鉄道へ通報をお願いいたします。また、沿線の方々へは置石防止についてのご協力をお願いいたします。

件数(置石) 線路内立入
令和2年度
令和3年度
令和4年度

(4)乗車マナーについて
駆込み乗車は大変危険ですから、絶対にしないでください。
また、ホームや車内での座込みは、他のお客様のご迷惑となりますし、お客様同士の足がからみケガをする危険性がありますから、止めてください。
安全で快適な駅や車内とするために、乗車マナーの向上にご協力をお願いいたします。


(5)テロ対策
駅、車内等で不審物を発見した時は、決して触らず、直ちに乗務員か甘木駅へ連絡してください。
【注意】 ・踏まない ・触れない ・蹴飛ばさない ・匂いをかがない
危険物の車内への持ち込みは、法令・運行約款により禁止されています。
【代表例】 ・可燃性液体 ・高圧ガス ・火薬類 ・毒物・農薬 ・刃物
また一部の駅においては、構内防犯カメラの増設を行っております。

(6)運行情報提供システムの充実
甘鉄HPや国土交通省の情報サイト「九州のりものinfo.com(インフォ)」、X(旧Twitter)等から、現在の運行状況の確認が出来るよう整備を行っております。
また、各駅の駅放送装置の更新を行い、輸送障害・事故発生時において、お客様へ列車の運行状況を連続的にお知らせが出来る駅放送設備を導入し、基山駅、小郡駅に案内表示器を設置しております。

(7)事故防止のために
視覚に障害をお持ちの利用者による、ホーム転落や列車との触車事故などが、全国的に急増しています。
視覚に障害をお持ちの利用者と認めた場合は、「声かけ・見守り」を行っていただき、万が一危険と思われる場合は、お近くの係員・甘木鉄道までご連絡をお願いいたします。
またスマートフォン利用者による「歩きスマホ」と呼ばれる行為が目立っておりますので、「車内」「ホーム」などでは大変危険ですので、おやめいただくようご協力をお願いいたします。
事故防止と安定輸送に、皆様のご理解とご協力をお願いいたします。




7.連絡先

安全報告書へのご感想、当社の安全への取組みに対するご意見をお寄せください。
【連絡先】
〒838−0068 福岡県朝倉市甘木1320番地
TEL 0946-23-1111
FAX 0946-22-5628
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